建設業様にてチームビルディング研修を実施しました

「人の問題」ではなく「構造の問題」を考える1日

先日、建設業のお客様にて、約40名の社員の皆様を対象としたチームビルディング研修を実施いたしました。

今回のテーマは、

「組織として成果が出るor出ない構造を体感的に理解すること」です。

年度の節目として統一感を高めたいとか、個人的な作業にならないような会社としての一体感をさらに上げたいという
目的意識があるとのことで、ご相談いただきました。
余暇的な集まりとか、野外レクレーションなどで『楽しかった』で終わる交流イベントではなく、
それが、職場や業務にもよい影響を与えるような研修を求めていらっしゃいました。
今回は、3部署の合同で、一緒に仕事をしていない人、よく顔も名前も知らない人、が
集まって研修参加することで狙う効果もありました。

そこで、今回のご提案としては、ワークをふんだんに採り入れながら

  • チームで成果を出すとはどういうことか
  • なぜ組織内で摩擦が起きるのか
  • 個人の努力だけでは解決できない問題とは何か

を体験型ゲームを通じて、職場で活かせるアクティブな学びとしました。


研修プログラム

今回の研修は以下の3つのワークで構成しました。

① 謎解きボックス

情報が分散された状態で課題解決に挑戦するワークです。
「謎解きボックス」とは、箱に隠された暗号や仕掛けを解き明かし、
実際に箱を開けることを目的とした体験型のゲームです。
見事に正解にたどり着けたチームは、3桁のロックを外せて鍵が開きます。

参加者は、
 ・情報共有
 ・役割分担
 ・合意形成
 ・ゴールの明確化
 の重要性を体感します。

 

  


② ミッションクリアゲーム

言葉によるコミュニケーションが制限された中で、チームでミッション達成を目指します。
グループメンバーに渡された別々の指示を、ある目的に向かって時間内に達成するのです。

現場でも起こりがちな
 ・指示が伝わらない
 ・認識がずれる
 ・待ち時間が発生する
 といった課題を疑似体験する内容です。
かなり、混乱しますが、グループの進め方次第で成果が実に変わってきます。

  


③ ビールゲーム(システム思考ゲーム)

MITで開発された有名な組織学習ゲームです。

工場・卸・小売などの役割に分かれ、限られた情報の中で意思決定を行います。

すると、
 ・欠品
 ・在庫過多
 ・責任転嫁
 ・部門間対立
 が自然発生します。

その振り返りを通じて、「善意の判断でも組織全体では悪い結果を生むことがある」

というシステム思考を学びます。
小売からオーダーが来るカードに、どれだけ川上から仕入れておくべきか、在庫はどれくらい持つべきか、
皆さんが大いに悩みました。
合計在庫が最も少ないチームが優勝です。

  

④対話型アート鑑賞も体験

対話型鑑賞を用いた観察力・多様な視点の共有

※アート作品を題材に対話を行い、多様な視点を引き出しました。

  

 


昨年からの大きな成長

実はこの企業様では昨年も研修を担当させていただきました。

今回、最も印象的だったのは、参加者の皆様が昨年よりも確実に進化されていたことです。

チーム活動の中で、「自分は今、何をすべきか」を考えながら
行動されている様子が随所に見られました。

また、意見交換の場面では、

  • 他者の意見を聴く
  • 合意形成を図る
  • 全員が納得できる形を探る

という姿勢が強く見られました。

昨年は一部の人が主導して進めるチームもありましたが、今回は多くのチームで協働的な意思決定が行われていました。


驚きの成果

特に印象的だったのはミッションクリアゲームです。

私はこれまで100回以上このゲームを実施していますが、全クリアしたチームが3チームも出たのは初めてでした。

また、地図づくりワークでも各チームの完成度が非常に高く、

情報整理や合意形成の力が大きく向上していることを感じました。


参加者の声

研修後には次のような感想もいただきました。
「他の部署の人と仲良くなれた」

「会社の雰囲気が積極的ということがよく分かった」

「みんな前のめりで活気があった」

「面白い人が多い会社だってことが改めて分かった」

部署や世代を超えた交流が生まれたことも大きな成果だったようです。

また、
「言葉を発せない状況がこんなに業務を停滞させるのかと痛感した」

「目標を明確にし、同じ方向を向いてコミュニケーションを取る重要性を実感した」

「普段と違う部分の頭を使い、新鮮で有意義だった」

という声もいただきました。


講師として感じたこと

この会社の皆様には、

  • 初動が早い
  • 活動量が多い
  • コミュニケーションが活発
  • 成果への意欲が高い

という特徴があることがよくわかりました。
どのワークも、非常に動きが迅速で、「あ・うん」の呼吸のような会話が机上で起こっており、
自然と皆さんの体が動いています。
きっと職場でも、「顔色を見て探り合い」の時間が少ないのではないかな、
率直に意見交換する社員同士なのだろうなと推測します。
隣の人に対する思いやりやねぎらいの言葉も多く聞かれました。
そして、勝負に対する執着も強い会社だなと感じました。
グループ対抗ゲームにはやる気が満ちていました。

今回の研修では、その強みがゲームの中でも随所に表れていました。

一方で、思考型・論理型の課題だからこそ、

  • 目的の理解
  • 情報整理
  • 合意形成・・・の難しさも見えてきました。

メンバーに配られたバラバラの「情報カード」を言葉だけで伝え合い、
チームで協力して一つの大きな地図を完成させるには
情報共有の難しさや、チーム内の協力体制の重要性を身をもって体感することができました。
「ミッションクリアゲーム」では階層別に与えられた役割を遂行するとはどういうことか、改めて考えさせられ、
マネージャーが「目的をどうやってチームに正確に伝えるか」「どう指示を出せばメンバーが動くか」といった
リーダーシップだけでなく、
フォロワーがどう動くか、マネージャーをどう補完するか、が最大の成果への行動につながるものでした。

しかし、その「うまくいかなかった体験」こそが学びになります。

組織の成長とは、成功体験だけでなく、課題を可視化することから始まるからです。


 


おわりに

チームビルディングとは「仲良くなること」だけではありません。

本当に重要なのは、

組織として成果を出すために、どのように考え、対話し、意思決定するかを学ぶことです。

今回の研修では、その土台となる視点を参加者の皆様と共有することができました。

ご参加いただいた皆様、企画・運営いただいた担当者の皆様に心より感謝申し上げます。

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